基盤教育センター

全学共通教育と教養教育について

全学共通教育と教養教育について

大学では,専門について系統的に学ぶとともに,学術文化の知的蓄積であり,また善き社会人にはその修得が必須である教養に接し,これを深く広く学ぶ必要があります。本学では,この目的を達成するために,4年(医学科及び共同獣医学科は6年)一貫教育体制のもとに,教養教育と専門教育とを並行して履修します。教養教育として開講される『教養科目』は,各学部等が担当する一部の学部等開講科目を除いて大部分は,全学体制として設置された「教育推進・学生支援機構」のもとで開講され,これら全学部等に関わる教育を「全学共通教育」と言います。「全学共通教育」として開設される本学の科目区分は,大きくは次の12に分類されます。

  1. 「初年次セミナー」 ・・・大学生としての学びを身につける
  2. 「人文科学」
  3. 「社会科学」    ・・・人類の叡智を学び知識と思考力を身につける
  4. 「自然科学」
  5. 「岐阜学」
  6. 「スポーツ・健康科学」・・健康に支えられた豊かな人生を歩む
  7. 「英語」     ・・・・国際化社会におけるコミュニケーション能力と多文化理解による視野の広さ
  8. 「言語と文化」      を身につける
  9. 「社会人リテラシー」・・・長い目で人生設計を考える
  10. 「数理・データサイエンス・AI」・・情報化社会に適応する基礎的な能力を身につける
  11. 「自由選択科目」  ・・・興味をもった分野をさらに究める(全学共通教育科目のいずれかから選択。
                 ただし、初年次セミナー及び日本語・日本事情は含まない)
  12. 『日本語・日本事情』・・・留学生が日本語と日本事情を学ぶ

以上の教養科目等の履修登録などは,全学共通教育事務室を通じて行います。
この他に,学部等基礎科目としての「教養基礎」からなる学部等開講科目があります。この科目は,各学部等が開講する教養科目であり,履修登録などは各学部等の学務係を通じて行います。

岐阜大学での学び

岐阜大学に入学し,これから大学生としての生活が始まります。これから4年間(医学科および共同獣医学科は6年間),岐阜大学生として生活を楽しむとともに,様々な学びを通して成長し,「豊かな人間性」を備えた「高度な専門的職業人」である21世紀型市民として卒業して欲しいと願っています。

学びの目的

岐阜大学での学びは「基盤的能力」と「専門的能力」を身につけることを目的としています。「基盤的能力」については「キャンパスガイド」に詳しく書かれているので,必ず読んでください。 この目的を達成するために,岐阜大学での教育を,「教養教育」と「専門教育」(二つを合わせて正課と言います)から構成しています。さらに「サークル活動」や普段の生活そのもの(これらを正課外と言います)も学びであると言えます。この正課と正課外を充実させることで豊かな学生生活を送ることができます。

全学共通教育

「教養教育」のうち,岐阜大学生として,入学した学部等に関わらず全ての岐阜大学生に学んでほしい内容を含む科目群を「全学共通教育」としています。「全学共通教育」は岐阜大学に入って,皆さんがはじめに出会う科目です。この教養科目としての全学共通教育における授業はどの学部等の学生にとっても共通に必要な「学部等での勉強の基盤」及び「社会人として生きていくための素養」に関わっています。

学びのきっかけと基盤形成

専門的な勉強をしたいと思って入学したみなさんにとって,なぜ「教養教育」を受けなければならないのか疑問に思うかもしれません。しかし,真の専門家は「専門家でない人たち」にわかりやすい言葉で自らの専門を伝えることができる人です。そのためには,広く深い知識やものの見方を身につけていなければなりません。この「広く深い知識やものの見方」を「教養」と呼ぶことができます。ですから,この全学共通教育はあらゆる意味で,大学生活のみならず生涯にわたる自ら学ぶ学習の出発点であり基盤となる学習です。ここをおろそかにすると大学生活そのもの,さらには専門の学習も含めた学部等や卒業後の生涯にわたる自立的な学びが揺らいでしまいます。

大学生としての学び

教養教育について伝えるに先立って,「大学生としての学び」について知っておいてほしいことがあります。高校生だった皆さんにはなじみの薄いことがあるからです。

自立した学びへ

大学での学びは「自分自身で何を学ぶか」を決めるところから始まります。これまでは学校が作った時間割があり,いつどのような科目を勉強するかは先生が決めていたはずです。大学では時間割は学生自身が作ることになっています。専門教育ではかなりきちんとした時間割がある学部等もありますが,教養教育,特に全学共通教育については,英語などいくつかの科目をのぞき,すべて学生自らが時間割を作らなければなりません。といっても,勝手に作れるわけではありません。岐阜大学の学生としてふさわしい力を身につけるために必要だと私たち「教員が考えた科目群」の中から選ぶことになっています。この科目群こそが「全学共通教育科目」であり,「教養教育」の中心となる科目群です。言い換えれば,これまでの「誰かが決めた」という受動的な態度から自ら学ぶという能動的で自立的な態度へ変えてほしいということです。

学びの成果としての「単位」

大事なことは学んだ成果がどのように認められるかということです。大学では学ぶことで一定の能力を得たという証として「単位」を使います。高校でも「単位」という言葉があったかと思いますが,大学では卒業するのに必要な条件を「単位」の数で決めています。各科目を十分に勉強し,所定の目標に達したと判断されると,その科目の「単位」を得ることができます。この単位の積み重ねにより,卒業のための条件を満たしていきます。この卒業のための条件となる単位数を「卒業に必要な最低修得単位数」とここでは言うことにします。時間割と卒業に必要な最低修得単位数は関係があるのです。このように,高校までとは違い,皆さんは自立した人間として振る舞うことが期待され,自分自身で何を学ぶかを決めるとともに,所定の能力を得たという証として一定の単位数以上を得ることが必要とされています。

全学共通教育がめざす教養教育とは

人間としての成長

全学共通教育の授業が目的としている「教養教育」は,「人間形成」及び専門教育の「基盤の形成」に関わっています。特に「人としてどう生きるべきなのか」「互いを尊重した他者との関わりの中での自分とは」を考えることが大切です。皆さんも,例えば「人の生き方なんかどうでも良い,金さえ儲かればよい」とか「機械のことは知っているけど,日本の地理も歴史も文化もおぼつかなく,ましてや世界のことなどまるで関心もない」という人間では「人間として,社会人として優れた人」とは言えそうにない,と思っているに違いないからです。

専門と教養の関わり

先にも書いたように,真の専門家は「専門家でない人たち」にわかりやすい言葉で自らの専門を伝えることができる人です。そのためには,広く深い知識やものの見方を身につけていなければなりません。皆さんが目指している専門家として活躍するためには,その分野の知識や見方・考え方を身につけるのは当然です。この専門的能力を実際に社会で発揮するためには,社会の中での自らの立場や置かれた状況を理解し,行動しなければなりません。そこでは,予想もしないことがたくさん起きるでしょう。その予想外の事態に対応する能力や新しい解決策を生み出す基礎となるのは,実は「教養」なのです。ですから,本来,「専門」と「教養」の区別などないのです。さらに,社会に何かを受け入れてもらうためには,先にも書いたように専門外の人たちでもわかるように,その意義や優れているところをわかりやすい言葉で説明しなければなりません。そして,受け入れてもらうためには相手や社会からの要求に応じ,修正することも必要になります。このことからわかるように,社会人として必要なことは「広い視野」と「柔軟な思考」を持ち,「社会と関わる」ことなのです。全学共通教育が目的としている教養教育は「教養」と「専門」を皆さんの学びを通じて総合し,自立した人材としての「広い視野」と「柔軟な思考」を持つために設置されているとも言えるのです。

大学で学ぶ目的

大学教育の目的は,学部等での専門教育を含め,生涯にわたり自ら学んでいくための知識基盤や思考方法を学生自身が得ることにあります。大学ですべてのことを学ぶことはできません。学部等専門教育は「ほんの一部」です。大事なことは,生涯にわたり「自ら探求していくこと」なのです。大学での学びは次の四つにまとめられます。

  1. 自分自身で勉強する
  2. 意味を考える
  3. つねに問題意識を持ち疑問を抱く
  4. 疑問に対し自ら答えを出そうとする

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